函館酸素株式会社



[お話いただきました]
管理部 部長
田中 昭 様

自社の強み(特徴的な技術や製品)についてお聞かせください。

当社は、渡島檜山地方で唯一、酸素と窒素を製造しているメーカーです。当社の強みの1つとしては戦前の創業以来80年以上地元で実績を積み重ねたことによるお客様からの信頼です。酸素や窒素はどのメーカーも品質に大きな差は無く、製品自体での差別化は難しいのですが、供給力、提案力、保安サービスなどお客様へのサービスによる信頼の積み重ねが競争力につながる事業です。

地域に競合する企業もありますが、酸素や窒素の製造プラントを所有しているのは当社だけであり、安定供給という面では圧倒的な強みを持っております。
また、当社の成り立ちには、函館を代表する造船会社である函館どつく株式会社が大きく関係しています。造船で鉄を切断する際には大量の酸素が必要であり、造船工場に酸素を製造する会社が必要ということから当社が設立されました。また、医療関係でも手術用及び呼吸器患者向けで酸素は必要不可欠なものであり、社会的使命として万全な安定供給に努めております。

窒素ガスに関しては、電子機器製造用に大量に使われるほか、食品の酸化防止封入用や、液体窒素の超低温を利用した食品急速凍結用など幅広い産業分野で使われています。医療の現場でもイボの除去などで液体窒素が使用されています。

函館地域にもっと増えてほしい業種・業態の企業はございますか

生産プラントの稼働に直結するという意味では電子機器、鉄工、機械、化学、食品など製造業となります。ものづくりをする製造業が増えることが、当社にとっても地域にとっても活性化につながると考えております。
当社では、お客様の効率化、コストダウンに貢献できるよう、ガスアプリケーションの開発、提案に努め、地域製造業を支えて行きたいと思っています。

今後の展望について

今後も安定供給、品質向上、各種提案により、お客様に安心して製品をお使いいただけるよう努め、地域の産業、医療を支え、地元に愛される企業を目指して参ります。
社員ひとりひとりの責任感と80年以上の事業の歴史が、地域における信頼の礎であり、社員の成長があってこそ会社と地域の発展につながると思います。
今後も社員、会社、地域が、共に成長し続けられるよう努力して参ります。

2018年には市内の臨空工業団地に第二工場を建設されましたが,その経緯についてお聞かせいただけますか

万が一、当地区が大きな津波に襲われた場合、函館港に面している現在の工場は大きな被害を受ける可能性があります。渡島・檜山地方で唯一の酸素、窒素生産企業としては、災害時にも万全の供給体制を継続することが大きな使命であり、ガスの充填機能と備蓄機能を高台である臨空工業団地に移転建設することを決断しました。
本社のプラントに万が一のことがあっても、地域で必要なガス需要を一定期間まかなえる備蓄があれば、道路などが寸断された場合でも、復旧までの供給を維持できると考え、想定した必要備蓄量を確保することが、臨空工場建設にあたってのコンセプトでした。
また、外環状線が令和2年度に空港まで開通予定であり、市内外とのアクセスが向上することも、供給体制の強化につながると考えております。

※2020/2/18取材

ご紹介企業基本情報

社名
函館酸素株式会社
所在地
[本社]〒040-0076 北海道函館市浅野町1-3
☎︎0138-42-2411 FAX:0138-42-4888
[臨空事業所]〒042-0958 北海道函館市鈴蘭丘町3番128
☎︎0138-78-0055 FAX:0138-78-0056
e-mail
info2@hakosan.co.jp
URL
http://www.hakosan.co.jp

会社概要

代表者名
代表取締役社長 星 朝秋
設立年月日
1938年3月29日
従業員数
69人(うち正社員 58人(うち函館本社・臨空事業所 46人))
資本金
2400万円

主要製品・サービス

  • 酸素・窒素・アセチレン・LPガス他一般高圧ガス
  • 各種高圧ガス・医療ガス配管工事・その他設備工事
  • 医療用機器の販売、賃貸および修理 他

主要取引先

函館どつく、函館エヌ・デー・ケー、病院等各医療機関 他

関連会社

大陽日酸グループ